②「KETZ×黄帝心仙人」 ダンススタイル対談

――お二人のショーはただ音にあわせるのでなく、すごくびしびし伝わってくるものがあって観ていてとても感動しました!
KETZ
すごい難しい技をやっているわけでもなく、だけど感じるものが一緒じゃないと出来ないんです。たとえばっていう話が通じないと成立しないし、同じイメージを思い描けないと話にならない。
それがなぜ仙人とならできるかと思ったかというと。。。
NE時がきっかけにというのもあったんですけど、去年の名古屋コレクションに一緒に出たんですね。これまで一人でそういうファッション界でもソロで踊ってたりしてたんですけど、「もうちょっと増員したいからダンサーをキャスティングしてくれないか」って言われたときに、NE時さん達を誘ってみたんです。
ファッションだったりアートだったりっていうあの世界観が楽しめるかなぁ?ていう心配もあったんです。だめな人にとっては全然受け入れられない雰囲気だから。
で、どうだろうって思ってたんですけど、みんなすごい楽しんでくれて、あ、これがわかってもらえる人達なんだっていう安心感があった。そのときに結構確信できて、その日のノリで今度二人で踊ってみましょうかと。
で、今年1月に実現しました。
二人で踊ってみて、自分的にはなんか懐かしかったの。
昔Angelaって子と踊ってたんですね。GELAKETZ~ジェラケッツというチーム名で。そのときの感覚に仙人と踊ってみてすごく似ていたんです!
黄帝心仙人
僕もこれは初耳です。
KETZ
うん。で、Angelaと仙人が似ている?わけではなさそうなんですが。
彼女とは腐れ縁なんですけど、高校生のときからずっと一緒に踊っていて。あんまり作りこんだりしないのに二人じゃないとできないものがあって。他のダンサーとでは絶対に出せないものがあったんです。どんなにスキルがあるダンサーでも何かが違う。
スキルではない部分で合う部分がすごくあってその感じというか匂いがあったんです。仙人に。
――NE時で最初なぜ仙人に声をかけられたのですか?
KETZ
無名のショータイムを見たことが何回かあって、このヴィジュアルなので印象に残らないわけがな(笑)、でclub citta’で無名の心のshowをみたとき世界観がすごくすきだったんです。
仙人ていうキャラクター。その非日常的な感じというか、ファンタジーな世界観がどんぴしゃなんです!私のつぼですね。
黄帝心仙人
別にジャンルでダンスを捉えるつもりはないんですが、踊り方とか全然違うんですけど、世界観や雰囲気というのは僕としたら躍りよりも重要な部分だと思っていて・・・
例えばダンスじゃない部分で考えると僕は絵も好きだったりするんですけど、例えばピカソの絵って何となくアーティスティックだなとか、天才的だなと か言われるけど、知らない人って実際どこがどうすごいのかはわからない。
僕も絵画に詳しいわけでもないけど、仕掛けとか仕組みとかがあって、こうしてこうしてこの先ができてるっていうのが実際はあって、それに対してみ皆が考えたりする事に意義があって価値が有るって思うんですね。
僕にとってダンスだってそうなんですよ。
単純に習ってできあがる作品ではなく、自分の思想だったり、例えばそれが自分が思い描くファンタジーな世界だったり、物語があってそれを作品にして・・。
単純にそれを見て面白いというのではなく、その中に謎だったり仕掛けがあってそれを皆が「なぜ?これはど うしてこうなったの?」って考えるところに価値が生まれる。
例えばですけど靴下の色を派手なものにしてそれには意味があったとする。躍っている時靴 下なんてそんな見えないんですけどそれがちらっと見えたりする瞬間に、見えたひとだけが見えるメッセージがあったりとか。。
例えば10分間の作品の中に10コの仕掛けを作ったとする。
1回見たら1個しかわからないけど、次見たら「ここもこうなんだ!」っていうのがたくさんあって一回のショーで 終わるものではなく何回も見て、皆が考えて「コレが発見できたあれが発見できた」ってなればその作品に価値が生まれるなって僕は今すごい思ってて、今後も そういうものを作っていきたい。
もちろん単純にわかりやすいメッセージもあるんだけど、その裏にいろいろ思想が隠されているときっと意味のある、奥行きのある作品になり、それをたくさん創っていく事によって価値も深まるなって思ってる。そういうのをKETZさんも考えてるんじゃないかな?って。
よくありがちなのは単純に作品を消化しているというか、次コレがあるから作ろうかだけでなく、もちろん時間に追われる部分もあるけど、その中で意味を込めて作っていって最終的に見返したときに「あ、こうものをやってきたんだな」って思えるのは自分の理想ですね。
KETZ
作品を通して自分を知れるんだよね!
4月に主催したUMU凝llectionがまさにそれ。20年の自分の足跡でLIVE個展と銘打ってやりました。
やりたいこととか表現したいものに対して素直に自分を解放しているところも私たちの共通点かな。
正直、仙人をアニメーションダンサーというくくりでみたことはなくて、仙人は仙人、黄帝心仙人と作品創りをしたくてお誘いしてるんです。
わたしにとってはダンスの作品がアートでありたくて、その作品作りは私の生き甲斐。その作品創りをしている自分自身が自分の作品だと思っているので、今は自分っていうアート作品を一生かけて作っている課程なんですよ。
ダンスがあって、踊れる身体があって、それが手段のひとつになっているだけで、その表現方法は洋服を作ったりとかっていう風に手法は死ぬまで加わったり変わったりしていくと思うんですよ。その中で自分の作品に対しての価値は人それぞれが決めるもので、観る人がどう感じてくれるか。
その人の精神的な肥やしだったり癒しになってほしいの。
それは写真だったり絵画とか音楽とかも一緒で、お金を出して私っていうアート作品を買って欲しい。その価値を決めるのはお客さんで、それが50円なのか500万なのかは後からついてくるもの。
そんな視点でハングリーに作品を追求したいし、そんな視点で仙人とはセッションしてるつもりです。
――名古屋のファッションショーでもUMUコレクションでもアート界やファッション界のお客さんが多かっ たと思うんですが、クラブでダンサーに向けて発信していくのはどうですか?
KETZ
ダンスだけに興味がある人に向けて踊っても観て欲しい部分が違っちゃってるので、悲しいことにそういうところを避けるようになってしまった現実もある。
勝負をしている角度が違うところに自分の丸裸な感性を見せても残念な反応だったりするしね。
ただ、自分を受け入れてくれる分野の人達もいてくれて。ほんと感謝ですね。
──子供のいる公園でとかそういう場所ではやらないのですか?
KETZ
そういう方が面白いのかもね。
黄帝心仙人
見ていると、やっぱりKETZさんは経験豊富なだけあって、今までいろんなところにものをだしてきて、それぞれの反応を見てきている…若手のダンサーさんとか、中間層とか…一般の方とか。それでもちろん全てに発信はしたいんだけど、どこに発信したら自分の価値をわかってもらえるかっていうのがピンポイントでわかってきたんだと思う。そういう層からまた違うところに派生したりもするんだけどね。
KETZ
自分のやってることの説得力が若いときはもちろんもっとなかったし。
ただの変わり者なのか、パイオニアなのかって紙一重でしょ? これしかできないからって貫いてきたものを証明していかないと認められないし。
作品を作って世に生み出し続けたいんです。生む苦しみも相当ありますがそれを経て出来ていく快感がたまらないんです。

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